大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和26年(う)578号 判決

弁護人は、「原判決は判示第一(六)に於て、被告人が七十数疋の織物の一疋ごとに、それぞれ、三個の偽印を表顕せしめた事実を認定しているが、織物の疋数を明確に判示していないから、これによつて成立する犯罪の罪数が不明であり、従つて犯罪事実を特定することが出来ない。」と主張するけれども、しかしながら、原判決は、該判文に徴し明白であるが如く、七十数疋の織物に対する偽印表顕に依る印章偽造の所為と、これ等織物全部の一括交付による偽印使用の所為とを、刑法第五十四条第一項前後段に該当する一罪と認めているものであつて、これによつて成立する犯罪の数は一個であることを明確に判示しているものであり、また斯様に、多数の行為を一括して一罪とする場合に於ける個々の行為は、必ずしも個別的にこれを判示するまでもなく、原判決程度の判示方法によつても、其具体性を確認することが出来るから、論旨は其の理由がない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

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